数年前に、某amazonに電子辞書を出品した際のエピソードです。
以前に、簡易な電子辞書を購入したのですが、ずっと使用する機会もなく、新しい物を購入したため、このまま眠らせているのもなんだかもったいない気がして、amazonに出品したのです。

特に値段は気にせず、送料込みで割と安めの価格を設定しました。
あまり時間が経たないうちに、何件かいいねがつきました。
今までの経験上、そんなに早く売れることもないだろうと思い、気長に待とうと考えていました。
すると、すぐにコメントがつきました。

「これは使えますか?」

もちろん動作確認済みで、そのことも商品紹介欄に明記していました。

「はい、動作確認したところ、問題なく使用できました。」

「これで英語を勉強できると思いますか?」

商品と関係のない突拍子もない質問で、正直、戸惑いました。

「どれくらいのレベルで、どのようなシーンで使用されるかは存じ上げませんが、一般的に調べる際には問題ないかと存じます。」

その後も何通か、少し不可解な内容のメッセージのやり取りを繰り返し、ようやく購入して頂けました。

電子機器ですので、配送中にもしものことがあってはならないと思い、プチプチで何度か梱包し、雨に濡れても大丈夫なように、さらにビニールに入れ、急いでいるとのことでしたのでその日のうちに発送しました。
追加料金を頂いて、速達にて発送することを提案させて頂いたのですが、何故だか先方に拒否されました。
予算の関係もあるのかもしれない。
そう思い、あまり深く考えないようにしました。

発送した後に発送通知を送ったのですが、その後、御購入者様からメッセージが届いており、確認すると

「やっぱり速達でお願いできませんか?」

とのことでした。
もちろん、すでに発送してしまったことは伝えました。
すると、

「今高校生なんですけど、学校のプログラムで2日後にニュージーランドに半年間留学するんですけど、間に合いますか?無理ですかね?」

なんという事実。
それなら、どうして速達を選ばなかったのか。
出品者である当方の住まいは、愛知県。
一方、ご購入者様の住まいはというと鳥取県。
2日で届くとは到底思えない。
そんな大事なイベントなのにどうしてもっと早く準備しなかったのか。
そして留学なのに、本当にこの商品で良かったのか。

「速達を選ばれていたら、届いていたかもしれませんが、普通郵便ではおそらく難しいと思います。」

そうお答えさせて頂きました。
しかし、私としてもなんとか彼女の留学に間に合わせて差し上げたい。
そう思い、ダメ元で、先ほどお伺いした郵便局に向かいました。

郵便局員さんは忙しそうに仕事をされており、頼むのは申し訳ありませんでしたが、先ほどの郵便物を速達に変更することをお願い致しました。
探すのに、時間はかかっておりましたが、なんとか速達に変更できました。
そして、期限の日にちまでに届くかをお伺いしたところ、微妙なラインですとのことでした。
しかしながら、わずかな可能性にかけるしかなかったのです。

その後、彼女にメッセージを送り、なんとか速達に変更できたことを伝え、速達料金分をamazonの最低購入金額の300円でご購入頂きました。
もう、届くか届かないかは神頼み。

そして2日後、彼女から通知とともにメッセージが送られて来ました。

「無事に届きました!本当にありがとうございます!!
これで安心してニュージーランドに留学に行けます。」

良かった。無事に届いたと聞き、ホッとしました。
彼女のその後の経緯は、もちろん知ることはできませんが、私の辞書が役に立ってくれていればと願うばかりです。
後にも先にも、こんなに大変な取引はありませんでしたので、今も心に焼きついています。